【第26回】 カナダへの旅立ち
そのころの僕は、将来は、オーストラリアに住みついて、ラフティングでずっと食べていこうと考えていた。ところが、オーストラリアのビザは、3年以上の専門の経験(ラフティング)がないと下りない。その経験として、ワーキングホリデーでカナダに行くことにしたのだ。このシーズンをカナダで修行し、一皮むけたラフティングガイドになろうと心に誓っていた。
そして、4月。
ぼくは、カナダへ旅立った。
まずは、タイ往復の1年オープンの復路の飛行機で飛び、激安航空券の売っているカオサンロードへ行く。もうすでに僕のたびの拠点となっている場所である。
アジア独特の湿気のある暑い空気が、僕の心をよりうきうきとさせる。
無事にチケットを買い、シアトル経由でバンクーバーへ旅立つ。
移動中の心境としては、ラフティングの仕事ができる喜び。夢に向かっているという妙な高揚感があり、心身ともに充実していた。
とにかく、やる気は満々。仕事をさせてもらえることに感謝と喜びを強く感じている。
とにかく夢見心地のフライトだった。
無事にバンクーバーに到着。
街の第一印象はとにかくきれい!!ということ。町並みが整然としていて、街をぶらぶらしていても気持ちがよい。早速、僕は、バックパッカーを探す。今回の旅の友は「地球の歩き方」である。
バンクーバーには、2泊した。街を歩き、港を歩きぶらぶらとする。とてもすごしやすい気候である。きれいな街並み。さわやかな空気。本当に気分がよい2日間だった。
そのあと、バンクーバーからバンフへバスで移動。
5から6時間かかったと思う。
このバス移動でびっくりしたのが、電車の遅さと長さである。踏み切りにとまったバス。目の前には電車が走っているのだが、いくら待っても電車が通り過ぎない。
スピードも自分が走って飛び乗れるくらいの遅さである。
その踏切で、結局30分くらい待つことになる。とにかくのんびりした国だなーと言う印象である。
でもいくらのんびりした国でも、走るくらいの速さで、何百メートルもの電車。本当に想定外の出来事だった。
何はともあれ、無事にバンフへ到着。今年はバンクーバーオリンピックでも盛り上がったバンフ。世界中からリゾート客が押し寄せるこの土地も、4月の下旬はとても閑散としていた。ここからバスに乗り、いよいよ目的地のジャスパーを目指す。
このバスは、普通の交通手段として伸ばすではなく、近隣の観光スポットも寄るというもの。とうとう近づく目的の地。
なんだかんだと日本を出てから早5日。旅の始まりの旅も終わろうとしている。
この続きは、また次回。