【第2回】初めてのラフトボート
ガイドになるまで、初めてラフトボートに乗せてもらった時は、ひっくり返りもしませんでした。なので、僕自身の最初の印象は、なーんだこんなもんなんだってところでした。
しかし、実際にボートを操ってみると、なんとむずかしいこと、岩にはぶつかるし、みんなから離れて行くし、早い流れにのっていないからです。
それから、川の構造から、パドルの使い方、を教えてもらいました。
言ってしまえばこんなもんですが、流れを見ろと言われても、どこに流れがあるのかさえわかりませんでした。僕からすれば、すべて同じ水に見えるからです。そして、極めつけが、ボートがひっくり返ったときでした。はっきり言って何もできませんでした。ただ、流されるままで、頭の中も真っ白でなにがなんだか訳がわかりませんでした。
しかし、毎日の努力というのは、人を進化させるのですね、1ヶ月半後には、一人で上から下までガイドできるようになっていました。そして、ある忙しい日ノリにガイドをやらせるという話が持ち上がりました。
ぼくは、半分はできるという気持ちと半分は不安でいっぱいでした。でも、仕事仲間の一人グラントという人が、「ノリはもし、ひっくり返ったり何かがあったとき、不安があるので、まだ、早い。」ということで、というか僕自身もその通りだと思ったし、納得しました。で、僕のデビュートリップは2週間後となりました。もう、4月になっていました。